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天才(石原慎太郎)の書評

小説/時代/現代

田中角栄が活躍した国会

かつて天才といわれた政治家がいました。その男の名は田中角栄。その男の一生を反田中と言われていた石原慎太郎が書いた小説「天才」。果たして、どのような心境の変化なのか?そのあたりを踏まえて書評します。

政治家というより人間性を重視

世界から注目された田中角栄

こちらの本は、政治家「田中角栄」が残した偉業である日本列島改造や日中国交回復よりも1人の人間としての魅力や対人関係を重視して書かれていました。

そのため、田中角栄の知らない顔を知りたいという方には見どころがあります。それとは逆に政治家としての業績を詳しく知りたい方には不満に思う所もあるかと思います。私は「もう少し、政治のことを書いて欲しい」と思いました。しかし、途中から列島改造論や日中国交回復が出てきたら「やっと出て来たか、この話題が!」とちょっと興奮気味に読んでいました。

批判された金権政治

田中角栄の金権政治

田中角栄の負の遺産として有名なのが最低でも2つあると私は考えます。それは友邦台湾を切り捨てて中国と国交回復した事。中国と国交を回復するのは当然の事ですが、もう少し台湾に配慮すべきだったし、台湾の国際的地位を擁護するべきだっと思います。

次に政治を行うのに、あまりにも金を使いすぎた事。よく言われる金権政治という奴ですね。この本でも、その事がよく書かれていました。金は国民が懸命になって稼いだ金を国家に支払う物ですから、政治家の物ではありません。国家国民のためのものです。

 アメリカの陰謀なのか?

日米の確執となったロッキード事件

よく言われるロッキード事件は、日本を真の独立国家を目指そうとした田中を目障りに思ったアメリカが仕掛けた陰謀と言われています。その真偽は定かではありません。しかし言える事はただ1つ、田中角栄が失脚してから、彼を越える指導者が現れていないという事です。

晩年はお酒を飲み過ぎて、脳梗塞になって政界復帰できなくなったのは日本にとって大きな痛手と言える事でした。石原慎太郎も、この本で田中角栄が失脚した事を残念がっていました。あの時に批判した事を後悔するような事も書いていたのです。

 この本を書いたのも、ある知り合いから田中角栄について「1人称で書いたらどうですか?」と薦められたのが大きかった様です。そして薦められた時に書こうと思ったのは、あれほどの人物は今の日本にいないなぁと心底思っていたから書いたのでしょう。石原慎太郎にそこまで考えさせた田中角栄の一生を知りたいと思った方は、読んで損のない雑誌です。

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