鶴八鶴次郎(川口松太郎)の書評

下町にある雷門

昭和時代に活躍をした文豪「川口松太郎」の小説「鶴八鶴次郎」は、鶴八と鶴次郎の誤解から生まれた悲しい物語です。

鶴八と鶴次郎の結婚

鶴八と鶴次郎が結婚していく展開

この物語は、舞台に立つと息がピッタリと合う「鶴八」と「鶴次郎」が、舞台以外になると、喧嘩ばかりになってしまう所から物語が始まります。

この二人がなぜ喧嘩ばかりするのか?それは「鶴次郎」が「鶴八」に片思いをしていたからです。鶴次郎は素直な気持ちを鶴八に伝えられずに喧嘩ばかりしていました。そんな日々も終わりを告げようとしたのです。鶴八が「竹野」という他の男に嫁ごうして、鶴次郎は自分の想いを鶴八に告げます。鶴八は鶴次郎の気持ちに心打たれて、鶴次郎へ嫁ぐ事になりました。

鶴八と鶴次郎の破局

鶴八と鶴次郎が破局する原因はお金

鶴八は鶴次郎と結婚する前に「寄席(よせ)」を持ちたいと思っていました。この寄席は興業小屋のようなもので、鶴八は寄席をもってから結婚したいと思っていたのです。しかし、寄席をもつには2万円(現在では約7600万円ほどの価値)もの大金が必要でした。

そこで、鶴八は寄席をもつためのお金を竹野から1万5000円も借りたのです。その事を知った鶴次郎が激怒して、鶴八を口汚くののしって、喧嘩別れをする事になり、鶴八は結局他の男へ嫁いでいきました。しかし、鶴八が嫁ごうしていた男は「竹野」の末子で、金を貸してくれたのは「竹野」の若旦那だったのです。

鶴次郎の謎

鶴次郎が行った謎の行動

鶴次郎の誤解で喧嘩別れをしたあと、鶴次郎は舞台にたっても、鶴八がいない状態では以前のような輝きはありませんでした。そのため、人気は落ちて行き、すっかり鶴次郎は落ちぶれてしまいました。そんな落ちぶれた鶴次郎を見捨ててはおけないと思った鶴八が、久しぶりに同じ舞台にたって、鶴次郎は以前のように舞台の上で輝きを取り戻しました。そして鶴八は、舞台に久しぶりにたった事で、芸の世界へ生きる歓びを思い出したのです。

鶴八は、鶴次郎にまた同じ舞台にたつと言い、今の旦那が承知しなかったら離縁すると言ったのです。しかし、そこまで言ってくれた鶴次郎はなぜか、鶴八の芸のついて不平不満を言いました。助けにきた恩を仇で返されたと思った鶴八は、怒って帰って行ったのです。舞台番の者が鶴次郎に、助けに来てくれた鶴八になぜ不平不満を言うのか問いつめます。そこで、鶴次郎は胸のうちを明かして、2人は涙を流しながら物語は終わりを告げるのです。


鶴八鶴次郎 (1979年) (中公文庫)

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