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風流深川唄(川口松太郎)の書評

小説/時代/近代

料理長が身分違いの恋をするストーリー

門前仲町の深川亭の料理長「長蔵」が、主の娘「おせつ」と身分違いの結婚をしようとするなか主は快く認めるのですが、深川亭に危機が訪れるのです。

深川亭に訪れる危機!

深川亭の未来が曇っていく展開

深川亭は、主の娘「おせつ」の懸命の働きで、多くの客が訪れていました。深川亭の主である「伊三郎」にとって、おせつは自慢の娘でしたが、長蔵も大事な店の人間だと思って可愛がっていたのです。その為、身分違いの結婚でも伊三郎は快く二人の結婚を認めていました。

しかし、そんな深川邸に危機が訪れます。伊三郎が1万2000円もの借金をして、裁判所の人間が深川亭の家財を強制執行したのです。おせつは、あまりの出来事に呆然とするなか、親類達が集まって伊三郎になぜ借金をしたのか問いつめます。そこで伊三郎は、かつて深川亭がつぶれてしまうほどの危機だった時に、助けてくれた恩人がお金に困っていたのでお金を貸した事を告げたのです。この言葉におせつは涙を流して感動して、伊三郎を責める事はしませんでした。

おせつと長蔵に訪れる苦難!

花嫁の未来が変わる展開

長蔵は店がつぶれる事になっても、財産目当てでは無かったので、おせつと結婚する意思は変わりませんでした。しかし、以前よりおはつにお嫁として嫁いで来て欲しいと考えていた「伊勢春」が、1万2千円を出す代わりにおはつに伊勢春へ嫁いで来て欲しいと言って来たのです。

伊三郎は娘と長蔵が相思相愛だったので、この話を断っていました。しかし、長蔵は自分だけが幸せになって今まで世話になっていた深川亭をつぶして良いのかと思うようになって、深川亭から去って行きます。おせつは何度も長蔵と会おうとしますが、長蔵は会ってくれませんでした。そして、ここに至っておせつは伊勢春へ嫁ぐ事を決めます。しかし、最後に長蔵へお別れの手紙を送ったのです。

おせつが嫁ぐ日

おせつが嫁ぐ日に急展開するストーリー

ついに、おせつが伊勢春へ嫁ぐ日になりました。おせつは奇麗な花嫁姿になって、人力車に乗って伊勢春の屋敷へ向かって行きます。そこへ何者かが人力車を奪い去って、おせつは行方不明となってしまいます。

おせつを連れ去ったのは何者だったのか知るよしもありません。ただし、それから後になって、深川近くの大塚におせつと呼ばれるおかみが働くお店の暖簾(のれん)には「ふかがわ亭」と書かれている店があったそうです。

 

(鶴八鶴次郎の本には「風流深川唄」も載っています)


鶴八鶴次郎 (1979年) (中公文庫)

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