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明治一代女(川口松太郎)の書評

近代日本で起きた物語

役者である「仙枝」は、芸者「秀吉」の嫉妬深い性格に嫌気がさして、違う芸者を好きになっていきますが、その事から大きな悲劇を生んでいきます。

仙枝が好きになった芸者

お梅という芸者を好きになっていく仙枝

役者であった「仙枝」は、嫉妬深い秀吉と激しい口論をして家を出た所で、他の芸者「お梅」とぶつかってしまいます。その時に、お梅の三味線を折ってしまい、お梅から「又(また)、姐(ねえ)さんの、これなんでしょう」と言われてしまうのです。仙枝と秀吉の仲の悪さは、周囲で知らない者はいなかったので、お梅が知っていても不思議ではなかったのです。

お梅は、仙枝から三味線を折ったお詫びに、新しい三味線を用意してくれる事になりました。そのお梅を密かに慕っていた箱丁(はこや:芸者の三味線を持っていく男)の巳之吉がいましたが、その想いを告げずにお梅の為に奔走(ほんそう)していました。しかし、お梅は次第に仙枝と深い仲になっていく事になります。

秀吉に虐められるお梅

秀吉の怒りの雷

仙枝と会えないでいた秀吉は、お梅が仙枝から三味線を貰っていた事を知る事になり、お梅に敵意を抱いていました。そして、お梅が三味線を奏でる中で、秀吉が踊る時が来たのです。その時、秀吉は踊らないと言い始めて、その理由を問われたら秀吉はお梅に「誰かに貰った三味線らしいが、立派な三味線も腕が無ければ、猫に小判」と言い放ちます!

大勢の観客がいる前で、お梅は恥をかかされてしまいました。その後、仙枝は「三代目仙之助」を襲名する事になり、名披露目する事になりました。そして、芸者一同が集まる中で、仙枝とお梅の深い関係を知っていた姐さん達からお梅は次々に意地の悪い事を言われます。ある姐さんから「名披露目は派手なものにするんだろう」と言われたり、違う姐さんから「お梅にそんな金がある訳がない」と言い放ちます。そして秀吉から「千や二千のお金に困るお梅さんじゃないだろうね」と言われてしまいます。

お金もからみ訪れる悲劇

お金がからんで恐ろしい結末

巳之吉は、姐さん達からいじめられるお梅を見かねて、故郷の土地を売り払って大金を用意するから、そのお金で秀吉を見返して下さいとお梅に言います。戸惑うお梅に「その代わり、仙枝と別れて芸者を辞めて下さい」と涙まじりに懇願するのです。

巳之吉は、故郷へ急いで帰って土地を売り払ってお金を用意しました。そしてお梅にお金を渡して、お梅は仙枝と別れようとしますが、仙枝は応じようとしません。お金をもらった上に、巳之吉の約束が守れないお梅は板挟みに苦しみます。それから、お梅は巳之吉と会おうとしなくなり、巳之吉は騙されたと想い激怒します。そして、ある夜に巳之吉はお梅に会いに行こうとしますが、巳之吉は誰かに手によって亡くなってしまいます。その日からお梅は姿をくらまして警察から疑われる中で、仙枝の名披露目の日が訪れました。この物語は、お金と恋がからみあって、最後は誤解から生まれる悲劇で幕を閉じました。

 

鶴八鶴次郎の本には「明治一代女」も載っています。


鶴八鶴次郎 (1979年) (中公文庫)

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