鶴八鶴次郎・風流深川唄・明治一代女(第1回直木賞 受賞)の書評

江戸の下町の方達に愛された景観

日本文学に多大な影響を与えた直木賞の設立と、記念すべき第1回直木賞の受賞作「鶴八鶴次郎・風流深川唄・明治一代女」のついて紹介します。

名誉ある直木賞

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日本文学で名誉ある賞として有名な直木賞とは何か紹介します。

芥川賞と並ぶ直木賞

直木賞は芥川賞と肩を並べるほど日本文学に栄光ある賞と言われています。作家「直木三十五」の功績を記念して、1935年から設立されて現在まで続いています。

直木三十五は、数多くの歴史小説を手掛けて「南国太平記」や「徳川地獄図解」などを書いてきた作家として知られています。1933年には「直木三十五全集」が出されているのです。

新人作家の登竜門

直木賞は、新人作家の登竜門として知られており、大衆文学のなかで優れた作品に与えられる賞です。この大衆文学とは、娯楽性や商業性を重んじているので、純文学の芥川賞とは対局の存在と言えるでしょう。

直木賞は、無名や新進作家、中堅作家が対象者となっています。応募するには、事前に作品を出していなければならないので、直接応募する事は出来ません。正賞は懐中時計で、副賞は100万円になります。どれほど高価な時計なのか気になる所ですね。直木賞の受賞者に与えられる時計なので、恐らく凄く高価な時計なのかもしれません。

直木三十五

直木賞と大きく関係する作家「直木三十五」は、大阪市の内安同寺町に生まれて、大正末期から昭和初期まで活躍しました。直木三十五は、自分の年齢に合わせて、名前が「三十五」になった所で落ちついたと言われています。ただし「三十三」は三が続いて姓名判断上よくないと考えて飛ばしたようです。たしかに33は「散々」と読めるので、縁起がよくないですね。

3つの短編小説の魅力とは?

小説を置いて休憩する画像

直木賞を受賞した3つの作品には、どのような魅力があるのか紹介しましょう。

鶴八鶴次郎

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舞台で、息がピッタリだった「鶴八」と「鶴次郎」が些細な行き違いで破局してしまう悲しい物語です。しかし、破局しても鶴次郎を助けようとする鶴八でしたが、鶴次郎は悪態をついてしまいます。なぜ、鶴次郎は助けに来た鶴八に悪態をついてしまうのか?そのあたりの謎を知る事が出来るのも、この小説の大きな楽しみとなるはずです。

風流深川唄

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この小説は、料理長の「長蔵」が、主の娘「おせつ」と身分違いの恋をしていく物語です。身分違いの恋でも、主は快く認めますが、主が経営していたお店が借金を背負う事になって、長蔵とおせつが結婚する事が難しくなっていきます。なぜ、お店は借金を背負う事になったのか?そして、長蔵とおせつは無事結婚出来るのか?興味が尽きない物語です。

明治一代女

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仙枝という役者が、嫉妬ばかりする「秀吉」という芸者に嫌気をさしている時に、お梅という芸者を好きになります。そして仙枝とお梅は夫婦になろうとする時に、秀吉はお梅に色々と嫌味を言ってきます。お梅は必至に耐えていましたが、仙枝と夫婦になるには莫大なお金を用意する必要があって、お金を調達する事になりました。

しかし、この事がきっかけとなって、お梅に大きな不幸がふりかかる事になります。読んでいくとお梅が不幸になっていく事について、どうしてそんな事になってしまうのかなと思ってしまうでしょう。

第1回直木賞の受賞作のまとめ

直木賞について考える女性

3つの小説について感じた感想や、川口松太郎の思いなどを紹介します。

3つの小説の共通点

この3つの小説は、時代を感じさせるもので、ある共通点があります。それは江戸の下町の言葉が使われており、物語は滝が流れ落ちるような勢いのある早さで進んで行くます。さらに実話をモデルにしたのが「明治一代女」ですが、実話では悪女だった人物を、小説では悲劇の人物で書かれてある事も当時は話題になり感動した方が大勢いました。

そして、中盤まで読者をある物語を信じ込ませる巧みなストーリー展開で読者を楽しませてくれるです。それはどういう事かと言うと、こういう物語で進んでいるから、おそらく結末はこう終わるのだろうと読者に思い込ませます。所が、最後は読者が予想していなかった結末で物語を終わらせるのです。

3つの小説の感想

読み終わってみると、良い意味でこちらの期待を裏切ってくれるストーリーに、さすが第1回直木賞を受賞した作品は見事なものだと思い知らされるのです。江戸の下町の言葉が使われているので、時代劇のような展開を連想してしまい、少し臭い台詞だなと思ってしまう方もいるかもしれません。しかし、これだけ面白いストーリーだと台詞などもあまり気にならないでしょう。

川口松太郎の思い

川口松太郎は、直木賞を受賞した時は、すでに有名な作家として知られていました。所がまだ著作がなかったらしくて、この直木賞に受賞するために相当力を入れていたと言われています。 鶴八鶴次郎の本には「風流深川唄」や「明治一代女」も載っています。


鶴八鶴次郎 (1979年) (中公文庫)

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