アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)の書評

コインロッカーの鍵

この物語は、隣人から書店へ強盗する事を薦められる所から始まります。そして、この小説が読者を楽しませるのは、後になって起きる事を読者に想像をさせる所にあります。

ありえない話が読者に孤独感を感じさせる?

孤独を感じさせるストーリー

大学生になってから、独り暮らしを始めた「椎名」は、アパートの隣人に挨拶をしようとします。あなたも大学生もしくは社会人になってから、そんな経験があるのではないでしょうか?

もしも、その時に隣人から「書店へ強盗しよう」と持ちかけられたらどうしますか?この物語では隣人が広辞苑を盗むために書店へ強盗する事を椎名に持ちかけます。多くの読者は「いやいや、広辞苑を買えばいいだろう」と思うはずです。椎名も読者と同じように隣人である「河崎」に強盗をする意味がない事を告げます。

しかし、河崎は書店へ強盗する理由として「悪い店だ」と椎名に言い放ちます。椎名は河崎から、どうして悪い店なのか理由を聞いても、強盗されるほど悪い店のようには思えなかったのです。そう、この時の河崎は悪い店という本当の理由をまだ椎名に告げられませんでした。

読者を物語へ引き込ませるカットバック形式

カットバック方式が効果的に使われている小説

この小説を読み始める時は、多くの読者が「河崎という人物が全く分からない」と置いてけぼりにされたような気分になります。

しかし、この物語は「現在」と「過去(2年前)」の話が交互に書かれていくのです。現在では「河崎・椎名・麗子」と、過去には「河崎・ドルジ・琴美・麗子」という人物が登場しており、話がリンクしています。その為、読者は2年前にこのような事があったら、現在はこのような事が起きるだろうと予想していく事になります。つまり、推理をしながら読書を楽しめる訳です。

補足ですが、この小説は後に

最後は全ての謎が解けていく!?

アヒルと鴨のコインロッカーの謎解き

過去に登場するドルジはブータン人で、日本語があまりよく分かりません。そこでドルジは、恋人である琴美から日本語を教えてもらっていました。ドルジは「アヒル」と「鴨」の違いが分からないので、琴美にその事を聞こうとします。そこで琴美は「アヒル」は外国から来た鳥で「鴨」はもとから日本にいた違いと言うのです。

現在では、椎名は理解不能な隣人から「俺がアヒルなら、椎名は鴨」と言います。このアヒルと鴨が、全ての謎が解明された後にコインロッカーに神様を閉じ込める事になるのです。果たして、この物語はどのような結末が訪れるのか?そして、アヒルと鴨が閉じ込めた神様を知りたい方は「アヒルと鴨のコインロッカー」を読めば全てが分かります。

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