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重力ピエロ(2004年本屋大賞5位)の書評

小説/受賞/本屋大賞

重力ピエロで登場する落書きのつながり

2004年本屋大賞で5位に選ばれた「重力ピエロ」は、伊坂幸太郎先生の作品で、父親が違う兄弟によって落書きや放火事件を解決していく物語です。この小説のストーリーや、落書きが社会に与える影響を検証しましょう。

「重力ピエロ」のストーリー

兄弟を表す画像

泉水と春は同じ兄弟でしたが、弟の春は母親が望まない男の間で生まれた子供です。泉水の父親は、なぜか妊娠した妻に堕ろさせなかったのです。

例え、お互いの父親が違っても、泉水と春の兄弟仲は悪くありませんでした。しかし、泉水は切れやすい所があって、春が戸惑う事もあったのです。所が、2人が住んでいる仙台市では、落書きされる事が増えていきます。泉水と春は、この事件に関係性があると考えて、事件を解決しようとします。このストーリーは下のリンク先に詳しく紹介してあるので、興味のある方はクリックしてみて下さい。

www.akira-blog.com

落書きが与える影響

ニューヨークの試み

重力ピエロで出てくる落書きについて、たかが落書きと思う方がいるかもしれません。しかし、落書きを無くす事によって治安を回復させた大都市があるのです。それがニューヨークです。

1980年代のニューヨークでは、凶悪犯罪が多発しており、至る所で落書きされていました。そこで、ニューヨークで行われた試みが落書きを消すというものでした。当初は落書きを無くす事よりも凶悪犯罪を取り締まるべきという意見が強かったのです。しかし、当時のジュリアーノ市長は耳を貸さずに地下鉄の車両に書かれた落書きを無くしていきました。

その結果、ニューヨークの犯罪は少しずつ少なくなっていき、次に打ち出したのが軽犯罪の取り締まりでした。その後に、何と凶悪犯罪は半減したのです。小さな犯罪を見逃していたら、犯罪が増えていく事を「ブロークン・ウィンドウズ理論」と言います。1枚の窓が割れていたら、違う窓を割られていく犯罪が増えていくのです。つまり小さな犯罪も無視してはいけないという事でしょう。重力ピエロでは落書きをしている人物がそのうち他人に手をかけてしまう訳ですが、ブロークン・ウィンドウズ理論とは少し違う理由からでしたが、落書きのうちに容疑者を突き止めていたら、未然に他人に手をかけるような事を止められたでしょう。

ポンペイで落書き?

イタリアのポンペイ

春は、ポンペイでも落書きがされていたと発言していましたが、その話は本当なのでしょうか?調べてみたら、本当にあったようです。このポンペイについて詳しく知らない方の為に説明しますが、このポンペイはヴェスヴィオ山が噴火して、火山灰に埋もれた都市の事です。

それで、このポンペイには何が書かれていたのか?それは英雄カエサルの名言を馬鹿にするかのような揶揄の落書きだったり、モテない男の恨み言が書かれてあったりしたのです。このように、落書きとは他愛もない考えから書かれるものですが、それを野放しにすると凶悪犯罪が生まれる恐ろしい軽犯罪と言えるかもしれません。

重力ピエロをまだ読んでいない方は、落書きと放火がどのように結びついていくのか推理してみるのも悪くないでしょう。

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