リア王の書評!王女たちの言葉が国を狂わす?

ヨーロッパのお城

シェイクスピアの『リア王(福田 恆存 訳)』は国王が娘たちに自分をどこまで愛しているか聞いていく事によって、家族や国を無茶苦茶にする物語です。そこで、この小説に興味がある方のために、ネタをバラさないようにストーリーや見所などを紹介します。

「リア王」のストーリー

3姉妹の違い

ブリテンのリア王には三人の娘達がいて、最も自分の事を愛している娘に権力や領土を与えようと考えていました。長女ゴネリルや次女リーガンは、リア王を深く愛している事を伝えるので褒美を貰えます。

しかし三女コーディリアだけは、何も褒める言葉をなければ愛している言葉を贈らなかったのです。

これにはリア王が激怒してしまい、忠臣であるケント伯爵が必死にとりなおそうとしますがリア王は聞く耳を持ちません。哀れにもコーディリアは何も与えられないでフランス王が預かる事になったのです。

リア王は、二人の娘に多くのものを譲りましたが、次第に二人の娘達にないがしろにされていきます。遂には城に戻る事もできずに、惨めな逃避行の日々を送るようになります。そのような愚かであり悲しき王を見捨てられない忠臣ケントは、リア王に従い続けます。しかしリア王は、もうろくしてきたので、ケントが誰なのか思い出せないまま従えていたのです。

そのようなリア王への仕打ちに納得できなくったグロスター伯爵は、何とかリア王に忠義を貫こうとしますが、予想もしていなかった落とし穴がグロスターを待っていました。グロスターは思わぬ裏切りにあって、リーガンに捕まってしまうのです。

フランスでは、そのような不憫(ふびん)なリア王を方っておけないのが、皮肉にも最も冷たい仕打ちを受けたコーディリアでした。コーディリアは、何とかリア王を救おうと動き出します。そしてフランス軍はブリテンへ向かう事になりますが、果たしてリア王を救う事はできるのでしょうか?

「リア王」から伝わる事

古き良きヨーロッパ

リア王の小説では、最も愛情をかけた子供に裏切られて、最も冷たく接した子供に救われるという皮肉な物語です。冷静になって読んでみたら、矛盾しているように見えますが、このようなケースは現代でも当てはまります。

なぜなら親から冷たくされた子供は、何とか親に愛されたいと思って、親に良く思われるような行動を起こす傾向があります。それとは逆に、親から溺愛された子供は、何をしなくても愛されている訳ですから、親に冷たく接してしまうケースがあるのです。

もちろん親に愛された子供が、そのまま親を愛するケースもありますが、リア王の物語は決して絵空事の話という訳ではないでしょう。そのためリア王は私たちに家族愛が、いかに難しいものか伝えています。

「リア王」の見所

キングの悲しき姿

リア王の小説の見所は、愚かなリア王によって物語が早く展開されていく中で、家族愛が信じられないスピードで崩壊していく所です。リア王を読んでいたら「なぜ、この王はここまで愚かなのか?」と思ってしまうほどです。

そして崩壊した家族でも、再び手と手を取り合おうとする姿が、美しくも悲しい人間の姿を現しています。そのため家族愛が激しく揺れ動く小説を読みたい方には、おすすめの小説です。