映画『モリのいる場所』熊谷守一が守りたかったのは庭ではない?

映画『モリのいる場所』は、自宅の庭をこよなく愛した画家 熊谷守一を描いた作品です。庭から離れようとしない熊谷守一にとって、最も大事なのは庭でした。ところが、熊谷守一は庭よりも大事な存在がありました。その存在とは何か、詳しく紹介しましょう。

『モリのいる場所』のキャスト

熊谷守一がアリを観察

引用:https://eiga.com/movie/87788/gallery/

映画『モリのいる場所』は、2018年5月19日に日本で上映されました(上映時間は約99分)。 

監督&脚本

周りから理解されがたい熊谷守一にスポットを当てた映画『モリのいる場所』を制作したのが、沖田修一監督になります。 

  • 監督:沖田修一
  • 脚本:沖田修一

登場人物&役者

映画『モリのいる場所』に登場する人物や役者さんたちは、以下の通りです。

熊谷守一(演:山崎努)

熊谷守一

引用:http://mori-movie.com/cast.html

自宅の庭から30年以上も離れようとしない画家『熊谷守一』は、周りから仙人か天狗か?と疑われるほどでした。そのような変わり者は、自分が好きな仕事しか引き受けない所もあって、周りの者たちは手を焼いてしまいます。

熊谷秀子(演:樹木希林)

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引用:http://mori-movie.com/cast.html 

熊谷守一の妻は、夫の変わった性格にウンザリしているように見えて、夫と周りの者たちの橋渡しの役を演じます。彼女の存在がなければ、もしかしたら、熊谷守一は画家として成功できなかったのかもしれないと思わせるほどの存在感がありました。

朝比奈(演:光石研)

朝比奈は、自分の旅館を繁盛させるためには、有名な画家である熊谷守一に旅館の看板に文字を書いてもらうしかないと思いつめます。しかし、相手は変わり者で有名だったので、それは無謀な頼みとしか言いようがありませんでした。

藤田武(演:加瀬亮)

カメラマンとして、熊谷守一を撮影しようとしますが、思いがけない事を問いかけられてしまって、困惑してしまうのです。

水島(演:吹越満)

マンションのオーナーである水島は、マンションの建設に反対するような看板が気に入らなくて、熊谷一家におしかけます。

岩谷(演:青木崇高)

岩谷は、水島のもとで働いている者でしたが、息子の絵を熊谷守一に見てもらう事によって、親しくなってしまうのです。

『モリのいる場所』のストーリー

熊谷守一の庭を観察する妻

引用:https://eiga.com/movie/87788/gallery/20/

熊谷守一は、庭のわずかな変化にも目を光らせてしまう画家で、妻は少し呆れるような表情で見つめます。しかし、その表情はどこか、聖母のように夫を見守るような優しい表情でもありました。

そんな時に、旅館で働く朝比奈が、看板に文字を書いてもらえるように頼み込みます。しかし、妻の秀子は「ダメだと思いますよ」とさとしますが、遠方の長野県から来た事を知った熊谷守一は、看板に文字を書いてあげるのです。

熊谷守一は、何よりも庭を大事にしていましたが、近くのマンションによって、日が当たらなくなってしまいます。それを憂慮した者が庭を守るように言いますが「そんな事をしたら母ちゃんが疲れる」と言って断るのです。はたして、熊谷守一は、このまま庭を手放してしまうのでしょうか?

『モリのいる場所』の豆知識

熊谷守一に詰め寄る男

引用:https://eiga.com/movie/87788/gallery/7/

『モリのいる場所』に関連する豆知識を紹介するので、良かったら、ご覧になってみて下さい。 

画家『熊谷守一』の作品

私は、若い頃に画家を目指していた事もあって、熊谷守一という名前は聞いた事があります。写実絵画が好きだったので、熊谷守一の描く作品は、あまり多く見た訳ではありませんが、具象絵画の分野になります。

絵画や美術を詳しく知らない方は、その違いがよく分からないかもしれませんが、抽象絵画の対局にあるものが、具象絵画と思ってもらっても、それほど問題ではありません。ピカソの代表的な絵画は、実は具象絵画であって、抽象絵画とはモチーフが存在しないような絵画なのです。

そのため、下手そうに見えて、何を描いているのか分からないように見えても、何かモチーフやモデルが存在する絵画は、具象絵画と言えるのです。熊谷守一の作品は、一見下手そうに見えますが、具象絵画であり、ワザとそのように描いてあります。

モネの影響

私は、この映画を見て、初めて熊谷守一について、少しは知る事ができました。そして、熊谷守一がモネについて、どのように思っていたのか分かりませんが、モネの影響を強く受けたのではないか?と思ったのです。

なぜなら、モネも日本庭園を愛する画家で、わずかな光の変化を追求する画家だったからです。それは熊谷守一と共通するものが多くあるので、熊谷守一の事をよく知らない方でも、モネの絵が好きな方は、本作品を見ておく価値はあるでしょう。

『モリのいる場所』の感想

熊谷守一の眼差し

引用:https://eiga.com/movie/87788/gallery/13/

映画『モリのいる場所』を見た感想を紹介するので、参考にしてみて下さい。 

『モリのいる場所』の残念な所

ストーリーが始まった時には、何を考えているのか分からない熊谷守一に神秘性を感じられて、面白いように感じられました。しかし、熊谷守一と妻の夫婦愛について、えんえんと続いているような内容になっていて、少し変化の乏しい内容になっていたのが、残念な所でしたね。

マンションによって日当たりが悪くなる所は、ストーリーに変化が見られたのですが、これであれば、熊谷守一が若い頃の話を少し出しても良かったかなと思ってしまいましたし、知りたい所ではありましたね。

『モリのいる場所』の見所

ストーリーにあまり変化が見られないのは残念な所ですが、熊谷守一が、息子の絵を見てもらいたいと言われるシーンで「下手ですね、でも下手も絵のうち」と褒める所がありました。さらに庭をあれだけ大事にしていた熊谷守一が、庭を守ろうとしたら、妻が疲れる事を気にしてしまうなど、随所に懐の深い所を見る事ができました。

そのシーンを見ていたら、思わずほっこりとしてしまって、画家として確かな名声を得たのに、これほど懐が深い人物は尊敬できるなぁと思えて心が温まるような映画で、良かったですね(ただしフィクションが少し含まれているので注意)。